Dr.タナカの豆知識

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Dr.タナカの豆知識


「笑いすぎてアゴが外れそうや!」

先日、久しぶりに会う大学時代の仲間たちと酒を飲んでて不意に出てきた言葉です。
ところで皆さん、アゴって「外れる」ことを知ってました?アゴが外れたことありますか? 今月は久々に歯科らしい(?)コラムにしたいと思います。
当院でも、時々(細かく言えば数年に一回程度)「アゴが外れた」ということで診察の依頼があります。
往診の現場でも「うちのおじいちゃんの口が閉じない」ということで診察にいくと、アゴが外れていたという事例がありました。 では、アゴが外れてしまった時はどうすればいいのでしょうか?
その前にまずアゴの関節について説明します。
(写真1)
オレンジ色の「くぼみ」に青色の「丸い部分」が嵌り込んだ状態。 これが普通の状態です。
(写真2)
そして「アゴが外れた」とは、↑(写真2)のように「くぼみ」から 「丸い部分」が前の方に飛び出してしまった状態をいいます。
大あくびしたり、大笑いしたときに関節が前方に過度に引かれてしまったというわけです。
(写真3)
外れたアゴを元に戻すには、「丸い部分」が前に飛び出してしまっているわけですから、 ↑(写真3)のように「関節を後方に押し下げる」力を加えて、「丸い部分」を「くぼみ」の直下に持ってきてやればよいわけです。
そうすれば、「丸い部分」は関節の筋肉の力で、くぼみに収まります。
アゴが外れたということで一生懸命「上に押し込もう」としても、決して戻らないのはそういう理由からです。 「外れた」というネーミングが悪いのかもしれませんね。 「突き指」というと、引っ張ったら治りそうな気がするのと同じなのかもしれません。

田中歯科クリニック  田中 隆博

(大阪市福島区吉野4丁目25-23)