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通勤災害に該当する? その2

前月に続き、「通勤災害に該当するか否か」をテーマにコラムを書いてみようと思います。
「通勤経路」として認められるものには「就業に関し、合理的な経路」という規定があります。

具体的な事例から
「被災労働者は、職場からバイクで帰宅する途中、通勤経路より
50メートル離れた本屋に立ち寄った。(所要時間3分)
その後、さらに50メートル先の信用金庫のロビーで開催されている《交通事故写真展》を見学した。(所要時間20分)
そして再び通常の通勤経路に復し、自宅に向かっていたが、前方自動車の追い越しをかけた際に対向車線にはみ出し対向車と衝突し、負傷した。

このケースは「通勤災害とは認められない」とされました。
厚生労働省労働基準局の見解はこうです。

「本屋に立ち寄った行為は《日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむをえない事由により行なうための必要最小限のもの》に該当する。(ようするに通勤災害の範疇)
しかし、交通事故写真展の見学行為については労働者の興味によるものである。 よってこの事例は通勤災害とは認められない。(S49.11.27基収3051)

妥当なところだと思います。ただ交通事故写真展の帰り道に交通事故に遭遇するとはお気の毒です。

(文責 田中隆博 監修:ゆいえ労務サポートオフィス 社会保険労務士 竹内里恵子)



田中歯科クリニック  田中 隆博

(大阪市福島区吉野4丁目25-23)